写真が語り、AIが詩にする山旅(11)


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8月3日 爪ケ城

夏山の光をくぐる

夏山は
緑の層を重ねながら
歩く者を包み
その奥へと誘う

道はときに
影に沈み
ときに
光に満たされ
その変わり目が
心の輪郭をやわらかくする

光をくぐる――
それは
山と自分が
ひとつの呼吸を分け合う
短い刻だった
短歌

夏山の
光をくぐり
歩むとき
影のやわらぎ
胸にしみゆく

8月6日 三ケ上

山気のゆらぎ 

稜線の岩は 陽に白く
草は風の手にそっと揺れ
谷の村は 遠く霞み
山は今日も 静かに息をしている

その息に触れた者だけが
ほんのわずかな揺らぎを知る
祈りにも似た 山の鼓動を
胸の奥で そっと受け取る
短歌

稜線に 
ひとすじ風の 
影がゆれ
岩は白くて 
夏を抱きしむ

8月09日 三平山

花影そよぐ稜線

曇り空のひかりが
稜線の草をやわらかく包み
風はまだ細く
道は静かに先へ伸びていた
歩き出すたび
山がひとつ息をするようだった

キキョウの影は
風の通り道を知らせるように揺れ
ワレモコウは
細い穂を静かに立てて
カワラナデシコは
ほつれた息づかいで道に寄り添っていた

花たちは
色ではなく、ただその形と息づかいで
今日の山の気配を伝えていた
立ち方も、揺れ方も、沈黙の深さも
それぞれの場所で
それぞれの時間を抱いていた

花影は道に寄り添い
稜線へ続くひとすじを
そっと示していた
曇りの日のやさしさが
歩く者の心を軽くしてくれた
短歌

稜線の
草のさざめき 胸に触れ
花影たちは
名を持ちながら
声なく揺れる

ワレモコウ折句

わびしさの
れいのない影 夕まぐれ
もの言わぬ花
こころの底へ
うすく沈みぬ

8月11日 擬宝珠山・象山

山の静けさ 花のひらめき

曇り空の下、
山は
静けさを重ねていた。

その静けさは
外の景色ではなく、
自分の内側に
ゆっくり沈んでくるものだった。

湿原の花は
風に合わせて揺れ、
その揺れは
なぜか
胸の奥の
言葉にならない場所を
そっと触れた。

花のひらめきは、
ただの色ではなく、
今日という日の
かけがえのない証だった。
短歌

歩むほど 
心の奥へ沈みゆく
山の静けさ 
花の瞬き

8月18日 実僧坊山

水声のほとり

水は声をひそめ
森は影を深くする

立ち枯れた幹が
なお水面を支え

静けさの底で
山の息がひとつ揺れた
短歌

朽ちし幹 
なお水底を 
支えつつ
沈黙だけが 
山を語れり

8月20日 道後山・岩樋山

緑の深さと、青のひらき

森に入ると、
光は葉の影に沈み、
道は細く、
歩くたびに緑の深さを増していった。

静けさは音ではなく、
空気の重なりとして
肩に触れ、
胸の奥へゆっくり降りてくる。

やがて森を抜けると、
草原の道が
ひとすじ、空へ向かってほどけていた。

淡い青の層が
遠山に積み重なり、
そのひらきは
風のようにあなたの心を押し広げる。

深さからひらきへ、
影から光へ、
今日の道後山は
ひとつの旅を
静かにあなたの中に描いていった。
短歌

あしひきの 
森のかげ踏み 
ゆくわれに
緑の深み 
心しずまりぬ

8月26日 花見山

森に灯るひとしずく

薄暗い森の片隅で
赤いひとしずくが
そっと息をしている
誰も気づかぬまま
季節だけが
静かにその実りを見守っている
短歌

花終えて
実へと向かう
その途中
赤い灯りが
季節を告げる