三角の島、笑う岩
登山口 まだ眠る町を背に
一歩ごと 山は目を覚ます
木々の隙間から ちらりと覗く
三角おにぎり 大槌島が笑ってる
岩のあいだから また顔を出す
「よく来たね」と 風がささやく
ニコニコ岩も つられてほころび
山はそっと 背中を押してくれる
やがて山頂 空が近づく
山は静かに 息をひそめ
「ここまで来たね」と 包み込むように
私を迎え入れてくれた
ニコニコ岩の先に ぽつりと浮かぶ
三角の島 まるで山の想い
あの形を いくつの季節が撫でたのか
山もまた その時を知っている
私は今 山の胸に立ち
海と空と 島のかたちを胸に
山のまなざしを借りながら
新しい季節の 風を吸い込む
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山笑迎新氣
(さん えみて しんきをむかう)
山笑迎朝客
巖間見島形
登高風色好
心洗換春光
読み下し:
山笑(さんえ)して朝の客を迎え、
巖間(がんかん)に島の形を見る。
高きに登れば風色(ふうしょく)よく、
心を洗いて春光(しゅんこう)を換う。
訳:
笑う山が朝の登山者を迎え、
岩のあいだから三角の島が顔を出す。
高みに立てば風は清らかに吹き、
心は洗われ、新たな春の光に染まる。 |