咲きながら、散りながら
白い花 空に咲き
枝を埋め 光あつめる
地にも白 降りしきり
咲くと散る ひとつの姿
紅の花 音もなく
ぽとり落ち かたちのままに
地に伏して なお香る
沈む色 語るいのち
風もなく 舞い落ちる
花びらが 道を染める
歩くたび 春は過ぎ
光ごと ほどけてゆく
咲くものと 散るものと
重なりて 春は満ちる
白と紅 風のなか
咲きながら 散りながら
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春山花影重(しゅんざん かえい かさなる)
春山萬樹雪如雲
紅椿無聲墜石根
風靜櫻飛衣上舞
光斜影動路中分
空香不散連山氣
地色猶鮮映白雲
咲與落時同一瞬
花心深處在人聞
読み下し文:
春の山に万の木、雪のごとき雲の花
紅き椿は音もなく、石の根元に落ち
風なきに桜は舞い、衣の上に踊り
光は斜めに影を動かし、道を分かつ
空の香りは散らず、山の気とつながり
地の色はなお鮮やかに、白雲を映す
咲くと散るとは同じひととき
花のこころは深く、人の胸に響く
訳:
春の山には無数の木々が、雲のような白い花を咲かせ、
紅い椿は音もなく、石の根元に落ちている。
風がなくても桜は舞い、歩く人の衣に踊るように降る。
斜めに差す光が影を動かし、山道を二つに分ける。
空に漂う香りは消えず、山の気配とひとつになり、
地に残る色はなお鮮やかで、空の白雲を映している。
咲くことも散ることも、実は同じ一瞬のこと、
花のこころは深く、歩く人の胸にそっと響く。
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