尾根の光、森の影をわたる
細い道が緑の奥へ吸い込まれ、
葉の影が静かに揺れていた。
歩みの音は土に沈み、
風だけがそっと先を示す。
枝の間から光がこぼれ、
道の石が淡くひかる。
そのひと粒の明るさが、
今日の旅をそっと照らした。
尾根に出ると、
森の影が長く伸びていた。
その影をひとつ渡るたび、
時間が薄くほどけていく。
振り返れば、
緑の深みがまだ呼んでいた。
光と影のあいだを歩くことが、
ひとつの記憶になっていく。
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森影渡光(しんえい こうをわたる)
細径吸深緑
土音沈歩痕
尾光渡森影
旅心静成文
読み下し文:
さいけい しんりょくをすい
どおん ほこんにしずむ
びこう しんえいをわたり
りょしん しずかにふみをなす
意:
細い道は深い緑へと吸い込まれ、
土の音は歩みの跡に静かに沈む。
尾根の光が森の影を渡り、
旅の心はそっとひとつの文となった。 |